その時に出会って良かったなってって人それぞれあると思います。

今日読んだは、そんなでした。


絶望に効くクスリの著者のです。

とある大学の試験で資本主義卒業試験という問題が出され、その試験を通った学生はいなかったというところから始まる半分小説のような新書です。

 

早速ですが、これ以上は説明するのも難しいので書の中の資本主義卒業試験の問題を引用します。

この問題は、過去100年の間においてこの社会に起きたことをもとに、「資本主義の卒業」について論じることを求める試験である。

第一問 何が起きているか

第二問 資本主義は何を信じたのか

第三問 資本主義社会で満たされるものは何か

第四問 何を失ってはいけないか

まぁ、わけわからないですよね。

これを期末試験で出された学生にも同情します。

この試験がきっかけで卒業できなかった学生もいたという設定がなかなかキツいですね。
的に山田玲司さんのは過激な絶望から始まって至極まっとうな希望を導き出すものだと思っています。

そのため、稚拙な部分や矛盾が多いのも特徴ですが、半分小説なのでアクセントとしては充分に楽しめると思います。

 

何より、この本がおもしろいのは自分達からかけ離れた机上の議論ではなくて、自分達の生活から資本主義というものを考えなおすということでした。

資本主義に苦しんでいる中年と脱資本主義に苦しんでいる青年が登場することで、思想の違いにも対応できるという配慮も素敵です。

 

社会に対して漠然とした悩みを抱えている人は登場人物の誰かの立場には立っていると思います。

そんな中で絶対に失ってはいけないものが第四問で語られていきます。

それ以外の設問でははっきりとした答えは書かれていませんが、第四問の答えがわかると何故答えがかかれていないのか(もしくは書けなかったのか)がわかるはずです。

 

表面上の言葉だけでなく、作者が何を言いたいのか、そういうところまで考えないとつまらない本で終わってしまうかもしれませんが、ぜひとも多くの人に読んでもらいたい本の一冊になりました。